性の不一致の具体例
性交不能
性交不能とは、セックスの不可能な症状の総称を指し、性交不能症あるいはインポテンツとも言います。
病気や高齢による性交不能は、やむを得ない理由ですので、その他の特別の事情が無い限り、離婚原因とはなりません。
ただ、性交不能のため愛情を喪失して夫婦関係が破綻に至った場合は離婚原因になることもあります。その他、性交不能を隠して結婚したような場合は、不法行為を形成し、離婚原因となります。
性交拒否
性交拒否のため愛情を喪失し、破綻に至った場合は離婚原因になる場合があり、判例上も離婚とともに慰謝料が認められたケースが多数あります。(但し、性交渉の拒否が即離婚につながるわけではありません。 ) 詳しくは下記の判例をご参照ください。
異常性欲
異常性欲とは、性欲に量的または質的な異常があることをいい、一般人の性的行動や性欲のありようにおいて、正常とみなされない種類の性欲のことをいいます。
量的には淫乱症(色情症)、質的には小児愛・近親相姦・露出症などがあります。この異常性欲を超える、正常な人間とはとても思えないような性欲、たとえば異性の汚物を食べたりする食糞淫欲、死体だけに性欲を感じるは屍姦(しかん)などは「病的性欲」といい、性的倒錯(せいてきとうさく)の一つのに含まれる。
いずれにしても、正常とみなされない性欲が原因で婚姻関係に亀裂が入ったような場合は、婚姻を継続し難い重大な事由として離婚原因になる可能性が高くなることは間違いないでしょう。
性嫌悪症
性嫌悪症とは、配偶者との性交渉を回避し嫌悪する状態のことをいい、”配偶者との性行為が予期されると強い否定的な感情が起き、性行為を回避するほどの恐怖や不安が生じる。” 「性的伴侶との性器による性的接触のほんとすべてを、持続的または反復的に極端に嫌悪し回避すること。
その障害によって著しい苦痛が生じ、または対人関係が困難になっている。」と定義されています。潔癖症と同種の強迫性障害であることから、行動療法・カウンセリング等が主な治療方法とされています。
同性愛者
同性愛とは、男性同士または女性同士の間での親愛や性愛、その性的指向を指し、同性愛の性質を持っている人のことを同性愛者といいます。
夫婦の一方が同性愛者で、他の”同性”と性的な関係になれば、不貞行為となり離婚や慰謝料の原因となります。
男性同性愛者には妻を持ちながら同性との性交渉を求める者も少なくありません。妻が夫がゲイであることを納得した上で結婚したのであれば普通問題にはなりません。ただ、男性がゲイであることを隠して結婚していた場合、離婚のトラブルに発展する可能性が高いでしょう。
その他
子どもができないことが引き金となって、夫婦仲がぎくしゃくとしてきた時「婚姻を継続しがたい重大な事由」を理由とする離婚が問題となります。